リストラの再現か?2017/11/12 20:52

このところの株高や、オリンピックブームで建設業界は潤っているので、今ではすっかり、2000年問題を忘れがちでありますが、久しぶりに
「リストラ」と言う言葉を、マスコミやテレビから聞くことができました。

今から15年以上も前の時代、21世紀に入ろうとしていた時代は建設不況の真っ盛りで、どこもかしこも、建設業界はリストラの嵐でした。

大手、中堅ゼネコンの場合、売上げ高が1億円あると、約一人の職員を養うことができますが、2000年の頃は、バブルがはじけて、1兆円を超えて受注していた各ゼネコン企業は軒並み目標金額を達成できませんでした。不況で建設投資額が大幅に減ったのが要因でした。

そのため、従業員の給料負担は、会社の死活問題でした。

国土交通省発行の建設投資推計によれば、
1990年から1993年の建設投資総額は、毎年、81兆円を超えていたものが、
2000年には、66兆円にそれから、民主党の時代に、景気がさらに奈落の底に落ちるように、5年間で、建設投資額は、51兆円程度に落ち、
4割も投資額が減ってしまいました。
そのために、建設業に携わる人の4割は削減されざるを得ない状態でした。
(参照データ
http://www.stat.go.jp/data/chouki/09.htm

これが、不良債権を抱えていた企業や、無理な造注行為を行って債務超過を起こしていた企業、有効な土地を所有していなかった企業などでは、従業員の8割以上の人を削減しても、倒産の憂き目や2部に降格になった会社など、多々ありました。

日本の建設業を代表しているのは、大手5社と中堅ゼネコン10社と言われておりましたが、この2000年を境に、大手ゼネコンは生き残ることができましたが、中堅ゼネコンは、倒産した会社もあり、それこそ業界再編の瀕死の重傷を負いました。

今は、オリンピックを迎えて、建設工事の投資額が増えており、ゼネコンの春を満喫していますが、オリンピック後はどのような状態になるのか皆目不明です。イギリスのようにオリンピック後にされに発展した国の様になってもらいたいものです。

さて、リストラの声を久しぶりに聞いた企業は、「三越伊勢丹」という老舗デパートでした。

証券市場では、25年ぶりの株高と歌われているのですが、デパートの中で、唯一業績が低迷して、株がいつまでも低い企業です。

業績が悪いこの状態を乗り越えようと、三越伊勢丹側の幹部は、重荷になっている40歳以上の高齢者の社員を、追加退職金を一番多い人で、5000万も上乗せして辞めさせ、人件費を削減してフットワークを軽くすることを目論んでいるようです。

しかし、たった100株とはいえ、長くこの会社の株を保有していた関係で会社の実情を知るものに取って、今回のこのリストラだけでは、とても、往年の名門の企業再生は不可能と感じざるを得ません。

いつまでも、プライドが高く、デパートが時代を牽引してきたのは
とうの昔に終わっているのであるのに、いつまでも企業体質が変わらない、
また、お金を持っている人しか相手にしないで庶民のレベルまで、目線を落とすことができないので、商品構成と客の購入したいものにギャップが出て細やかな対応ができていない。
客より多い店員が、商品を吟味しようとするときに、蠅のようにうるさいぐらいについて回ってこれをサービスと勘違いしている。
また、購入できなさそうな客には、上から目線で「どうせ買えないんでしょ」というような視線を投げる、
相手国の情勢で、いつ何時、ひっくり返ってしまうような、インバウンドを対象にした商法を続けて、日本人の顧客を大事にしていないなど、
高級、お金持ちだけが対象とする、古い体質をそのままに、ただ単に従業員を解雇しようとしているだけです。

これでは、優秀な社員から辞めていってしまい、古い体質や現状にしがみつこうとする人だけが残って、数年後には見るも無惨な形になっていくことが明白です。

マスコミを使って、リストラを敢行するなら、まず、次世代のデパートのあり方を見せるのが先決で、そのために従業員の首切りを進めるのが筋であります。

高島屋も大丸松坂屋も新しい時代をつかんで、次の時代をとらえようとしていることがわかりますが、
この三越伊勢丹だけがいつまでも古いままで、のれんの重みにつぶされています。
購入した株は、未だに損失をだしており、頭のいい人が居ない企業は先細りです。2000年以降に中堅ゼネコンが歩んだ道をまっしぐらです。

周りでは、あまりにもやることがとろいので、「トロコシ、ダセイタン」を言う有様です。

2000年時代の中堅ゼネコンのなれの果てを、また見ることになろうと予感がしていますが、リストラの嵐を経験したものに取っては、悪魔の時代の再現は見たくないのですから、もっと経営者は頭を使って、「人、もの、金」の経営資源を大切に有効に使ってもらいたい。
それには、なんとしても知恵を絞りださないと・・・・歯がゆい!



本日の写真は、「わろてんか」の、番頭の引き抜きや借金で米屋がつぶれたが、芝居小屋からの再起を期待して、今年旅した、「金比羅歌舞伎」小屋の写真です。

頑張れ、「トロコシ、ダセイタン!!」

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://kinonkoya.asablo.jp/blog/2017/11/12/8726193/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。