味覚について2015/12/20 20:34

ミシュランで、一つ星を獲得した「蔦」ラーメン店が、近隣のクレームで閉店するようです。

もともと日本人の味覚は、世界で一番すぐれているので、フランス人に、格付けしてもらわなくても、良いのです。

これが、この処,軽薄になった日本人は、格付けされたことで、飛びついて、可哀想に、まじめにやっていたラーメン店を壊してしまいました。

白人優位のおせっかい、フランス料理が最高と自負するフランス人が、自国の料理が一番すぐれている事を誇示しよとしたミシュラン・ガイドですが、今では、ミシュランも東京のガイドだけは、その認定数でも、本国を凌ぐ勢いになっていますが、日本人の味覚の鋭さからすれば、当然のことです。

実際、海外旅行、特にヨーロッパに行ってみればわかることですが、キリスト教文化に基づいているので、どの国の教会も同じテイストで、芸術の嗜好もそれに引きずられて単一で、直ぐ飽いてしまうように、どの国に行っても、ガーリック、オリーブオイル、チーズ、肉、ワインと素材も香辛料同じで、味覚の複雑さに出会うことは稀であります。

これが、日本では、地方地方で催される祭りに代表されるように、地方地方で、独特の祭り文化があり、しかも、祭りその物が、季節ごとに変化があります。
これと同じように、料理についても、一流の店でなくても、西洋の一流店を凌ぐ料理を提供できる土壌があり、しかも、土地、季節で、提供されるものが違うという、実に深い文化的背景を持っています。

今年も年末は、多くの忘年会や慰労会がありましたが、その場でも料理の話題、お酒の話題がのぼりました。

居酒屋で提供される生ビールのまずさに、発泡酒を混ぜてあることが直ぐわかったりして、日本人の舌はごまかせないので、そのような店は二度と行かないようになります。

先週の話題は、サントリーのプレミアム・モルツの味が変わった話題が出ました。

ビール好きの私も、昨今このビールのテイストが変わってまずくなったので買わなくなっていましたが、皆同じことを話しているので、やっぱりそうかと判明しました。

サントリーは、モルツビールをいう、素晴らしい製品が、プレミアム・モルツが発売される前にあったのですが、3.11の大震災のドサクサに便乗して、モルツビールの味を変えました。

案の定、日本人の舌はごまかせないので、1~2年で発売をやめて、また、ビールの缶の表層を変えて、新しいビールを発売しましたが、往年の味を知っている人は、一口のんだだけで終わりです。

これと同じようなことは、明治の板チョコですが、昔は銀紙の封を開けた瞬間に醸しだされる、ほろ苦い芳香が、また、そのなんともいえない、西洋の憧憬の味がしましたが、この板チョコも、表層を変え、味を落としたので、ちっとも売れなくなりました。
この会社は、前にも、ガムの味を変えてまずくしたので、私が投書しましたら、やはり表層を変えて、再販売になりました。

いつまでも売れ続ける良い製品があります。
日本人の味覚の鋭さは、世界に誇れる文化です。その味覚の鋭さを破壊する製品は、直ぐ淘汰されて行きますので、健全に日本の食の文化的高さは保たれていると思います。

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