おわら風の盆2014/08/31 20:01

明日9月1日から、越中八尾にて、おわら風の盆が始まります。
3日間ぶっ通しで踊りあかすようです。(日中は踊っていないようですが・・)
元々は、台風シーズンの到来に向けて、台風を避けて無事豊年を祝う踊りということで、「風」の盆歌となったようです。

昔、高橋治氏が、「風の盆恋歌」という(不倫?)小説を書いてから、爆発的な人気がでて、全国から、観光客が集まるようになったようです。
この「風の盆恋歌」は昔読んだ記憶があり、いま、北陸地方で、仕事をしている関係で、前夜祭があるということを聞きつけて、一度は見てみたいと前夜祭に参加してきました。

一緒に仕事をしている仲間から、前売り券は、コンビニで購入していました。
前夜祭ステージというものが、観光会館で企画され、午後5時半から会場でしたが、当日、仕事が長引き、午後7時半からの最終ステージの、おはら踊りの鑑賞から参加しました。

富山駅から八尾という町まで電車で行き、八尾駅から、周遊バスがでておりました。
会場に行く途中、バスに乗った瞬間から、あたりは、街頭や住宅の電気を消していて、真っ暗な町中を進んでいくのですが、祭りの提灯の明かりだけが、周囲を照らして、八尾の街全体が、幻想的な雰囲気を醸し出していました。

住民全員の参加なのかわかりませんが、住宅の明かりも外に漏れないように規制されており、夜間照明は、橙色に輝く提灯の明かりだけで街全体を演出しておりました。

さて、最終ステージが終わったあとで、9月1日からの実践に向けて、各町内が持ちまわりで、町の中心である上新町通りを、ステージで演出されたと同じ踊りを、沢山の若衆が披露してくれました。

女性は、25歳までしか参加できない決まりがあるようですが、編笠で顔を隠した姿は艶っぽく、手の動きも、笠の後ろから見える、うなじもとても綺麗でした。
男手は、力強く地面を踏ん張る踊りが、これまた、女性を求める鶴や、鹿のイメージを彷彿致します。

哀しく響く、胡弓の音色と、三味線、太鼓が、踊りに合わせて、他の盆踊りとは一線を画するように、全く静かに、秘めた情熱的を抑えこみ、隠すような音色で、囃し立て、一年に一度の男女の逢瀬を、賛歌している雰囲気をもたらして、とても幻想的でした。

この情景を見るにつけ、「風の盆恋歌」の儚い場面が再現され、
人の世の、一瞬の命、盛りの短さを感じさせるようでした。