丸の内音楽祭2017/05/07 19:56

5月のゴールデンウィークも今日で終わります。
9日間の休日が取れたと言っても、振り返れば、あっという間に終わってしまう感じがします。

子供のときの夏休みや休暇がとても長いのは、一理あって、
例えば、6歳の子供の1ヶ月の休みは、
生きてきた時間で、休みを過ごした時間を割ると、
1ヶ月÷(6×12ヶ月)×100=1.38%

64歳の1ヶ月の休みは、
1ヶ月÷(64×12ヶ月)×100=0.13%

当然、年齢に反比例して、過ぎ去っていく時間は、子供の10分の1になるのです。

濃密な時間は、若ければ若いほど、過ごすことができるので、
諺にも、「鉄は熱いうちに打て」とか、「若いときの苦労は買ってでもしよ」とか、謂われます。

さて、毎年、ゴールデンウィークの3日間(4日、5日、6日)は、丸の内界隈のビルで、クラシック音楽祭が開催されます。

ストリート音楽に近く、ビル内音楽として、濃密な時間を音楽にひたすら精進した人が、道行く人に自分の研鑚の結果を発表する場で在りまして、観客としては、今年は、どんな新人が、彗星のように現れて、素晴らしい音楽を披露してくれるのかワクワクして聴きにいきます。

しかし、今年の音楽祭は、失望のうちに閉幕しました。
楽しみにして、丸ビルに行ったのですが、渡されたプログラムを見てがっかりしました。

今年は、東京国際フォーラムの有料のコンサートの宣伝ばかり強調されており、いままでの音楽祭の成り立ちを否定する様な、プログラム構成でした。

有料コンサートの値段も、昨年と違って、気軽に参加できる値段ではなくなったことと、
それよりも、これで、この音楽祭も廃れたと想うほど、
新人が、無料で参加し、登竜門として参加できる会場に、演奏者の名前だけが記載されており、プログラムに
誰が、何の音楽を弾くかについては、一切の説明もありませんでした。

たまたま、新丸ビルで演奏された、桐榮哲也氏のピアノ演奏でも、どこで、どんな事をしてきた人なのか、偶然にも知っている、リストのピアノソナタを弾いたのですが、せっかく、クラシック音楽を聴きに来た人にとっては、何を演奏されたかもわからない状態でした。

協賛する会社がお金を出して、しかも、東京国際フォーラムでの演奏を有料にして、こちらに聴衆を誘導していきたいのは、当然でありますが、
肝心の新人発掘の場を、聴きに来てくれた人に、説明無しで与えるような無神経さに、来年は行くのはどうしようかと想うコンサートでした。

大曲を、長時間演奏するのは、新人として意欲的でも在りましたが、
長時間立って聴く側の配慮もない、貧しい今年のゴールデンウィーク音楽祭でした。