TIME IS LIFE2021/01/24 16:27

今日の絵は、板タブを使って書いてみました。
なかなか旨くなれないものです。
コロナで傷みつけられて沈みゆく日本の痛々しさを表現しました。


契約に対する日本人のガードの弱さは、世界で突出しています。
私の所属する建築業界ですら、
今までの慣習で、「請負」という言葉が表しているように、
一旦、工事を請け負ったら、施主という言葉に代表されるように、
仕事を施してもらうので、あるじの言いなりになる風習できました。

もっとも、施主側も、企画から建物完成までを一括で請け負ってくれる
業務発注形態であったので、多少金額は多くてもすべてを委ねることでき、安心して事業を進めることができました。

しかし、世の中が世知辛くなってきて、請負者がもうけすぎとか、
使途不明金が多いなどの声が、施主という一個人の発注から、
株式という、多くの出資者が発注するようになると、説明責任が発生して、この日本の古くからの慣習は崩壊しました。

西洋的な、契約形態に、発注形態の変化で変わっていきましたが、
発注者と施工者は対等だといっても、まだまだ、仕事をもらう立場は弱く、
ましてや、工事途中の設計変更はもとより、
工事金額の増額をスムーズに受領するのは、
建物に使う材料が一物一価でなく、
工事にかける手間は、なかなか数字としてあらわすことができないので、
至難のことです。
また、日本の企業は永続性を基盤としておりますので、もちつもたれるの関係を継続するために無理がきく社会です。

これとは別に、募集型旅行契約のような場合は、
新聞に掲載している内容がすべてで、
細かな字で記載されている事項が、契約履行のすべてですので、
一旦契約した場合、一方的に、企画側の契約条項に縛られて動かざるを得ません。

旅行慣れしていない人は、良くパンフレットを読んでいないので、
旅行先でこんなはずではなかったとか、
観光地は素通りされたとか、外から見るだけだったとか、
食事はひどかった、ホテルはひどいとか、トランジットでひどい目にあったなどと、契約条項をよく見ない自分の責任であるのに、旅行会社に文句を言っている人が多いです。

さて、日本人のオリンピックの開催に対する発言を見るに、
まだまだ、日本の工事請負型の契約の甘さ、寛容さが、そのままオリンピックに当てはめられると思っている人が多いのは、残念であり、
アングロサクソン系の人と契約を経験していないために、トンチンカンなコメントでマスゴミをにぎわせております。

まず五輪開催の決定権はIOCにある。これが大前提で日本には何の決定権もないのが、契約です。
募集型旅行型契約でいえば、この条件で契約を結んでしまっているのです。
キャンセル期間が過ぎた場合、旅行代金は全額、いかなる場合でも申込者が支払わなくてはいけないように、
日本が、コロナでギブアップをしても、旅行前に急に熱が出て
旅行に参加できない程度のことで、

五輪を主催するIOCに対し、日本は場所を提供する立場を熱のために開催できないと言えば、
場所を貸す契約義務を果たさないのだから当然、莫大な賠償金がIOCから請求されます。」

このところIOCは、絶対的に開催を主張しておりますが、
IOC自身が中止を決断した場合は、「規約にはIOCが中止を判断する選択肢もある」と書かれていますので、
したがって、日本への違約金は払う必要はないのです。

開催都市契約の第66条に「IOCが本大会の中止を決めた場合」として「すべての損害賠償およびその他の利用可能な権利や救済を請求するIOCの権利を害することなく、即時に本契約を解除する権利を有する」と明記されています。

IOCが危惧する一点は、IOCの重要な基盤となっている米テレビ局の放映権料(1大会約1200億円)を補填する金額が請求される可能で、
この金額だけは、IOCが開催解除した場合に発生します。
このため、絶対開催、無観客でも開催を声高に叫ぶのです。

日本が、独自に開催を断念した場合は、契約不履行に対する賠償額及び、アメリカのテレビ放映権料、

また、アングロサクソン系はずるいので、大会参加準備した、ユニフォーム代金や、地元テレビの放映権料など、
各国がそれぞれに、日本が場所の提供ができない場合の損害賠償を請求してきます。
参加国、各国が訴訟の対象となる可能性があります。
コロナで財政が弱っているので、余計にそのような動きになります。

英国が、日本の開催を中断のフェイクニュースを出したのは、日本をその方向に誘導させ、英国経済が弱ったところに、莫大な請求権を行使しようともくろんでいます。
彼らの動きは、インド統治時代のように狡猾です。

日本はお金を持っていることが、世界中の人が知っていますので、これ見よがしに、言ったもんが得という恥のない世界ですから、
コスト的には、訴訟も含めた賠償額は天文学的な数字になるでしょう。

世界の金せびりの思惑と、コロナに絶対に負けてはいけないのです。
どうしたら開催できるのか、真剣に考えるべきです。

また、日本人は貧しく育ってきた国なので、
時間はお金として、「TIME IS MONEY」損得勘定だけの概念でとらえて来ていますが、
外交官、物理学者など多方面で活躍したベンジャミン・フランクリンは
この言葉を使ったときに、「機会損失」という意味で使っており、
無意味な議論はどんどん機会を損失していくだけです。

ここは一歩超越して、
「TIME IS LIFE」
人生は、時間そのものです。
その時 やらなかったことが後悔を生み、
その時やらなったばかりに、子供との貴重な成長過程を楽しめなかったり、その時、決断しなかったばかりに海外旅行に行けないなど、
その時その時のチャンスを生かさないと、一生不毛な人生を歩んでしまいます。

今回のようなピンチは、逆に大いなるチャンスです。
オリンピックのような、片務契約のような不利な、
募集型旅行契約書にハンコを押してしまったのですから、
アングロサクソン系の契約がどういうものなのかを理解し、機会損失をしないように、前に進め、ないといけません。

時間は取り返しのつかない人生そのものです。

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