風流について2020/05/10 19:30

杉浦日向子さんと言えば、江戸学、江戸風俗や吉原、浮世絵などに造詣が深く、漫画家としてもエッセイ家としても名をなした人です。

神様も意地悪なもので、このように有能な人は、2005年に46歳の若さで天に召されて逝ってしまったのです。
しかし、その作品は、今でも新鮮さを持ち、衰えておらず。このコロナ禍の中でも、雑事に振り回されない、生き生きとした作品であることを感じさせます。

毎月、エルビスさんのお友達の三上さんから、月次報告の「かわら版」が、PDFで贈られてきます。
その中で、今月号の参版に、平成14年5月に記載の「私の時間」というエッセイの中に、この杉浦日向子さんの事が触れられておりました。

コロナ、コロナで疲れたこの日常を、かわら版を手にしたことで、また、
杉浦日向子さんの漫画本などを集めようと思いました。

今日、掲載の「風流江戸雀」ですが、江戸時代の庶民の暮らしを、独特のタッチで表現された漫画です。
伸びやかに、人情の機微を実に暖かく表現したこの本を再び手にしましたら、三上さんが永久保存として死ぬまで手元に置いておきたい作品であると言ったとおり、素晴らしい作品でした。

人間、ある程度、年を重ねないとわからない事があると実感しております。

長き夜の 遠の睡りの 皆目醒め 波乗り船の 音の良きかな
ながきよの とうのねむりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな

正月の項から 「回文」(上から読んでも、下から読んでも同じになっている)を引用し、夫婦の秘め事を表す、この漫画だけでも、十二分に江戸の風流というか、日本に生まれ、日本人で良かったと感じさせてくれます。

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