脚気という病気2019/10/20 19:10

幕末から明治時代を取り上げた小説は数多くあるのですが、その戦争のあり方と人間模様を取り上げたものが多いです。

吉村昭氏の「白い航跡」は、明治時代の陸軍と海軍において、戦争の死者よりも、脚気で死ぬ人が多かった事象を捉えた小説です。

海軍は、英国で西洋医学を学んだ高木兼寛が食事療法で脚気を根絶するのですが、その提案を、ドイツ医学を主流とする東京大学派や、ドイツ帰りのドイツ医学を学んだ、森倫太郎(森鴎外)が、猛烈に反対します。

そのために、陸軍は脚気にかかる患者が多いのですが、ドイツ医学を信奉する森倫太郎とその東大を頂点とする権威者たちは、英国医学を低く見て、高木兼寛の治療法を認めようとしないのです。

偶然、ネットでこの本の上巻が配信された小説でしたが、今まで知っていたと思っていた明治時代が、全く違う観点で知ることができたことは有意義でした。

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