昨年のショパンコンクール雑感2011/01/10 20:40

2010年は、ショパン国際ピアノコンクールが開催された年でした。

このコンクールは、5年に一度というインターバルの長さと、概ね28歳までの年齢制限が加わり、しかも、ショパンの作品しか弾くことができない、厳しいコンクールであります。

今年の日本人の出場者は、実に17名でしたが、昨年2010年9月20日に私のブログに掲載させていただいた、渡辺友里さん他5名が2次予選まで進めましたが、その後、誰も、3次予選まで進めることができませんでした。

今回の優勝者は、ロシア人のユリアンナ・アヴデーエワという、25歳の女性で、実にアルゲリッチ以来、45年ぶりの女性の優勝者でした。

12月に偶然、NHK教育テレビで、来日しN響と競演した放映を見ましたが、完成度の高さ、堂々たる演奏で、この年で、今までどんな演奏活動をしてきたのか、まさに驚嘆いたしました。

ショパンを弾ける人は、ショパンがピアノの詩人といわれるように、叙情的で、病弱であったときの閉塞感、ロシアに対峙するポーランドの愛国心、愛の遍歴、ジョルジュ・サンドとの愛の懊悩、など、旋律の美しさに秘めた心の部分を知らないとただ単に、鍵盤の上に手がうまく動いているとしか言いようのない演奏になってしまいます。

ユリアンナ・アヴデーエワさんが、25歳の若さで、ここまで演奏ができるのは、何故かと思っていましたら、NHKテレビの対談で、演奏活動をしていく上での、(うわさではもう結婚されているとかで)、生活の両立のことや、人間の幅についての疑問を自分に投げかけていたことでした。

完成度の高い人でありますが、更なる高みでの演奏家をめざして羽ばたいていただきたいと思いました。

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